Posts Tagged ‘行動経済学’

コントラスト効果

Written by KFS on . Posted in リサーチと行動経済学

始めか、後か、それが問題だ
マーケティングリサーチとコントラスト効果

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コントラスト効果とは

人が認識をする際に用いるルールの1つで、2番目のものが最初のものとかなり違うと、実際よりももっとその差を大きく考える傾向がある、ということ
(出典:「影響力の正体」ロバート・B・チャルディーニ 著

 

氷で冷やした冷たい手で触る常温の水は、水だとわかっていても、なんだかとても暖かく感じます。

一方、サウナの後の水風呂の冷たさ。

これと同じように、何かを認識する際に、人はその前後の比較によって、物事を判断する傾向にあり、先立つ条件次第で同じものも違って見えてくることを指す用語です。

 

個人的には、同じチャルディーニの本の中の説明にある「スーツを先に売れ理論」と言われる方がわかりやすい感じがします・・・。

簡単に言えば、

過剰一般化のバイアス (少数の法則)

Written by KFS on . Posted in リサーチと行動経済学

「最近の若い人は・・」、「おばさんってやっぱり・・・」

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過剰一般化のバイアスとは

実際には限られたサンプルであるのに、世の中全体を現しているように一般化して、事実誤認を引き起こす現象。
「街角10人に聞きました」、で10人中6人が話したことをまるで世の中全体の話のように大げさに取り上げるバラエティ番組や、東ス○や、週刊○○のように、電車で開くのがちょっとためらわれる新聞、雑誌に使われる手法(これも私個人の過剰一般化のバイアスの例?)。

一番、身近な例では、自分の周りの人の数人を見て、

「最近の若い人は・・」や、「おばさんってやっぱり・・・」など、

まるでそれが世間一般を表しているように考える現象です。

私の周りでも、居酒屋トーク・女子会トークなどで、

雨の日の東京駅の○○○ブックセンターの2Fは、イケメン遭遇率が高い。B1は、ダメ」とか、

「銀座6丁目の喫茶店の○○堂は、夕方6時くらいに行くと美人遭遇率が高い。」とか、

「プロレス会場で、最前列で見ている男の人は、ゲイ比率が高い」とか、

ほとんど「それ、絶対ウソ。信頼性なし。」という話で盛り上がります。

実際に、全部調べたわけではなく、たまたま、偶然の目撃情報と妄想に基づいた、まさに「過剰一般化バイアス」の典型例なのですが・・。

ここで、「銀座6丁目の○○堂で、夕方6時くらいに行くと美人遭遇率が高い理由」について、

情熱と自前主義バイアス

Written by KFS on . Posted in リサーチと行動経済学

こだわり or 思い込み?
リサーチ結果に対する冷静な視点と情熱のバランスの問題

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自前主義バイアスとは

自分で生み出したアイディアに愛着を感じ、高く評価してしまうこと。
逆に言えば、自分の会社や自分のアイディアへの思い入れが強く、その否定につながる意見や、より優れたアイディアを排除してしまう場合があるということです。
「ここで発明されたものではない-(Not-Invented-Here)」バイアスとも言います。

例えば、アップルが成功した理由の1つに、

行動経済学とマーケティングリサーチ

Written by KFS on . Posted in リサーチと行動経済学

行動経済学とは、そもそも、これまで経済学の前提であった「市場は効率的であり、人間は合理的に行動する」といった前提への疑問のもと、「心理学のアプローチを通じて人間の非合理性、非効率性を解明しようとする学問」です。

2002年にダニエル・カーネマンが「ダニエル・カーネマンのS字曲線(価値観数 Value Function)」で、ノーベル経済学賞を受賞したこともあり、脚光を浴びている分野です。

日本でも、ダン・アリエリーの「予想どおりに不合理」や、「不合理だから全てうまくいく」などの本がベストセラーとなり、読まれた方も多いのではないでしょうか。

行動経済学は、企業のマーケッターや、マーケティングリサーチを行うものにとって、「顧客の心理を探す」「顧客のホンネや行動を理解する」という点で非常に参考になる部分が多いと思います。
データ分析だけではどうしても理解できない顧客の行動、どのような心理なのか、インサイトを深堀する上でもどこか論理的には納得しにくいけれど一消費者としては理解できる部分など、多くの疑問が少しは理解できるようになるように思います。

だからこそ、独断と偏見も踏まえながら、マーケッター、リサーチャーなら知っておくと役に立つはず(?)の行動経済学のポイントについて、皆と情報を共有したいと思います。


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利用可能性ヒューリスティック (availability heuristic)

Written by KFS on . Posted in リサーチと行動経済学

脳は節約志向
行動を生む思考のショートカット

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利用可能性ヒューリスティックとは?

「利用可能性ヒューリスティック」とは、「取り出しやすい」記憶情報を、優先的に頼って判断してしまうこと。
記憶に残っているものほど、頻度や確立を高く見積もる傾向。
探せる記憶だけが事実になること。
自分の記憶から簡単に呼び出すことができる情報により、バイアスがかかってしまうこと。

簡単に言えば、

  • 仕事帰りに、スーパーで、5分で今日の夕食の買い物の準備をしないといけない主婦が、買い物かごに「いつもの」を放り込む際の心理

と言えばわかりやすいでしょうか?

仕事帰りに、買い物時間が5分しかない場合、あれこれ、店頭で迷っている暇はありません。

「あ–、マヨネーズが切れてた」
「あ、そうだ。朝食用のバターが切れそうだったんだ!」と思い出した際、パッと見て、商品棚から手っ取り早く「いつもの」を買い物かごの中に放り込んだり、パッケージを一目見ただけで、3秒で「あ、これだ!」と判断して、買い物かごに放り込んでいきます。

このような行動を取る際、人はどこまで考えて行動しているのでしょうか? 何を基準に、商品を選んでいるのでしょうか?

その際に影響を与えているのが、「利用可能性ヒューリステック」です。