ペルソナマーケティングとは?
人間の記憶に残るのは、
いつの時代も物語。
だからこそ、統計データを
たった一人の顧客像“ペルソナ”に変換する。
商品開発・サービス開発の出発点は、人であり、その人のニーズです。
まず、顧客を喜ばせるためには、その顧客が誰なのか、何を欲しているのか知らなければなりません。
ならば、今までのマーケティングリサーチを一歩進めて、多くの統計データから重要な情報のみを選別して、数字から、もっと血の通った「私の顧客の物語」に変換してみてはいかがでしょうか?
ペルソナは、ユーザー調査から得られたデータをもとに作成された、各商品・サービスの市場セグメントを代表する「架空の顧客像の物語」
です。
「男性:○○%、女性○○%」といった数値データの断片的なイメージでの理解に留まっているだけでは、「群盲、象を評す」に陥いりかねません。だからこそ、ペルソナでは、顧客を肉体を持ち、ハートを持つ具体的な「リアルな存在」として、描き切ることを目的としています。
人間の記憶に残るのは、いつの時代も物語。
人間の脳は、子供の頃の読み聞かされた“お話”は残しても、興味のない数字を、長く、頭にとどめておけるようにはできていません。
すべての人に愛される・全員に満足してもらおうとすると商品・サービスは複雑になり、皆が失望する結果に終わってしまいます。
ペルソナマーケティングは、ターゲット像を明確化し、ブレないマーケティングを実現するための手段
です。
「ターゲットイメージ」と
「ペルソナ」の違い
ペルソナの背後には、
その元となる多くの人がいる。
だから、
たった一人のための問題解決が
多くの人の心に響く。
ペルソナは、定量調査、定性調査に基づくマーケティングデータを集約、統合分析のもとに作成された顧客像であり、一体の「ペルソナ」の背後には、多くの人間が存在します。
逆に言えば、ペルソナは、顧客集団としてデータの裏付け・根拠のある代表を人格化したものだからこそ、一見、「たった一人」のために考えことが、その背後に隠れる多くの人の心を打つことに繋がる、効率的なマーケティングの手法なのです。
- ユーザーの行動や背景を調査して、具体的な裏付けのある「ペルソナ」と、
- 推測・推定・経験値に基づく「ターゲットイメージ=ユーザーについて(私がor誰かが)考えました」
とでは、利用する目的・役割が違います。
「顔のある犠牲者効果」
ペルソナマーケティングは、
社会科学で証明された
「顔のある犠牲者効果」の
応用モデルです。
顧客を数字で語らずに、物語(ペルソナ基本文書)で語ることのそもそもの意義とは、数字で実態を語るよりも、物語の方が人間の記憶に残りやすく、ストーリーが豊かに描かれていればいるほど、ユーザーへの感情移入がしやすくなり、問題解決への糸口が発見しやすくなることにあります。
これは、社会科学で、「顔のある犠牲者効果」と言われています。
- 「顔のある犠牲者効果(identifiable victim effect )」
- 人はおおぜいの苦しみより、一人の苦しみの方に心を動かされているようにできていること。
数字で示された「何万人の苦しんでいる人」の情報よりも、「ナイジェリアのナディア」について、彼女が何歳で、どのような理由で戦争孤児になったか、などなど犠牲者の顔や写真を見て、詳しい情報を知ると同情心がふつふつと湧き上がり、それが他人の行動(とお金)を呼ぶこと。
一方で、その情報が個人と結びつかないと、それほど共感がわかず、その結果、行動も起こらないこと。
(ユニセフの広告を思い浮かべれば、納得できるはず?)
そのため、ペルソナ構築の際には、主人公の描写はもちろん、脇役、生活シーン(バックグラウンドストーリー)、商品・サービスの利用ストーリーなどを描きこむことで、目の前で、ペルソナが浮かび上がるように、作りこんでいくことがポイントとなります。
そして
忘れてはならないのは、ペルソナ構築は、
映画のシナリオ作りのように、「誰かの創造の産物」であるのではなく、
定量&定性データに裏付けされた、マーケティング情報をバックボーンとしなければならない
ということ。
つまり、求められているのはスピルバーグのような創造性ではなく、データから物語を紡ぎだす、右脳と左脳の両方を繋ぐ能力です。