ガラスクリーニングロボットと未充足ニーズ
ガラスクリーニングロボット (自動窓拭き器)
名前(型番):Hobot-168
製造元:株式会社 環境技研
販売元:ツカモトエイム株式会社
愛称:もじゃ (社内での呼称:なんとなく、動きが“もじゃもじゃ”してるから?)
友達:ルンバ
ガラスクリーニングロボットに学ぶ、
身近な日常にある未充足ニーズ&インサイト
“私が欲しかったのはまさにこれ! やるじゃない?
すごい、私以上に、私が欲しいものが何かをわかってる!
12月のこの時期に、いや、この時期だからこそ、期待の新人(?)がやってきました。
KFSでは、オフィスの掃除はみんなの仕事、大掃除だってみんなでやります。
そこでついに登場したのが、この「ガラスクリーニングロボット」。
簡単に言えば、AIセンサー搭載の自動で窓拭きをしてくれる機械です。
「一体、なにこれ?」「また、大庭先生が趣味に走った・・・」などと皆が注目する中でのお披露目デビューでしたが、
へー、ほー、何これ、すごい!!
私は、この商品について全く知らなかったので、大感動、「あ~、やられた!」感でいっぱい。
あ~、こんな身近なところに、私の“未充足ニーズ”に応えてくれる、“インサイト(購買を動機付けるピンポイント)”にぴぴっとくる商品があったなんて・・。
ルンバを初めて見たときも感動したけれど、これはさらにそれを上回ると、またまた、感激してしまいました。
あ~、いいな、こういう、自分の“未充足ニーズ”に気付かされる商品・・・。
未充足ニーズとは?-改めて説明
未充足ニーズとは、今までの世の中にある製品やサービスでは満たされない/満たすことが難しいニーズのこと。
特に、最近、商品のライフサイクルが成熟期に入っていると考えられている家電の分野から、
“未充足ニーズ”を満たす、一芸に秀でた色々な面白い商品が続々と登場してきているのは、仕事へのとても良い刺激です。
「もう新しいものなんてない」なんて「思い込み」というより、「思い上がり」。
マーケティングいかんで、まだまだ市場は切り開かれる可能性があるんだ、という生きた事例を目の前にすると、ワクワクしてきます。
KFSで新商品や新サービスのコンセプト設計のお手伝いをする際、まさにやっていることが、この“未充足ニーズ”をリサーチを通じて探り出すこと。
未充足ニーズを捉えるにあたっての調査において、KFSでは、
- 本当はやりたくないけれど、仕方ないからやっていること
- もし、○○することなしに、○○できれば良いのにと生活者が思っていること
- 以前はやっていたけれど、大変だからやめてしまったこと
といった行動を手ががりに、未充足ニーズを定量&定性の両面からあぶりだすことに注力しているのですが、
このガラスクリーニングロボットを題材にマーケティング視点で考えると、
この商品で捉えている“未充足ニーズ”とは、
窓がピカピカにきれいなのは、絶対に気分が良い!
でも、窓の汚れが気になるのは、大掃除シーズンの12月。
そう、寒い、さむーい、時期。この時期に窓を開け放っての窓拭き、水仕事は、きつい、寒い、重労働・大掃除の中でも1番の3K。
だからこそ、
- 「本当は、窓拭きなんてやりたくないけれど、仕方ないからやっている」
- 「お金払ってもいいから、誰か代わりにやって欲しい(専門の方にお願いする時もある)」
- 「もし、寒い思いや大変な労力なしに、窓がピカピカになったらどんなに快適だろう」
という心の声。
未充足ニーズとイノベーション
そしてこの”未充足ニーズ“を解決する商品が目の前に現れると、
“私が欲しかったのはまさにこれ!
すごい、私以上に、私が欲しいものが何かをわかってる!”
と心に刺さるのですが、それをまさに、この商品で、自分自身で、身を持って実感しました。
こうやって未充足ニーズを言葉で説明すると、”そんなニーズ、気づいてたよ、当たり前じゃない?”になりがちなんですが、そのニーズに気づき、商品化するには多くの知恵が必要なこと。
まず、リサーチで“未充足ニーズ”を探る(というより、洞察する)のは、リサーチの専門会社である私達でも、いつも四苦八苦。
さらに、リサーチで“未充足ニーズ”に気付いたとしても、それを商品化するにあたっては、
- ニーズを商品アイディアに変えるだけの「創造力」
- アイディアを実現するのに要求される「技術力」
- そして一般の方が気軽に変える価格設定にするための「生産力」や「販売力」
など、次から次へと“やるべきこと”がたくさんあります。
だからこそ、このような形で商品/カテゴリーを新たに“発明”したモノに出会うと嬉しさいっぱい。
Innovationとか、大上段に構えなくても、自分の身近にいっぱいあるよね、と思わず、皆で熱く語ってしまいました。
あ~、でも、これ、ほんとに気に入りました。自宅用にも購入します。
家だったら、絶対、こたつに入りながら、試したい。
だって、こたつに入ってテレビ見ている間に窓が勝手にピカピカになっているなんてすごい!
(ルンバも、今は「エラー9」に悩まされているけれど、なんだか愛嬌がある。こちらの商品も、それに続く気がする・・・。)
そして、2015年、オフィスには、ぜひ、ぜひ、「PEPPER」を迎えたいと思っています。
PEPPER君は、オフィスの中で、どのような活躍をしてくれるのでしょうか?
関連情報
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