デプスインタビュー
別称:デプス、1on1デプスインタビュー、個別インタビュー、パーソナルインタビュー
デプスインタビューとは?
- インタビュアーと対象者が、1対1で向き合うことで、その回答(発言)から対象者の深層心理を捉えるための調査手法
- 1~2時間、1人の生活者と向き合い、「なぜ、その商品を買うのか」、「その商品を買うことによって、どんな気分が得られるのか」、「どんな自分になれるのか」などという、生活者の性格・思考・心理的側面にまで踏み込んでの、ホンネや深層心理を掘り下げる
- KFSでは、行動経済学、心理学などの手法も取り入れながら、生活者インサイトを明らかにする。
定量調査と、定性調査(デプスインタビューでわかることの違い
「どの程度」を知るためには、定量調査が必要です。
定量調査と定性調査の違いを、「スマートフォンを購入する際の重視点」を例に説明します。
定量調査の場合)インターネットリサーチ・購入する際の重視点TOP5
*回答総数 n=1000
- バッテリーの持ち :68.5%
- キャリア(通話会社) :58.3%
- 本体価格 :48.5%
- 画面の見やすさ・大きさ:36.2%
- 動作や反応の速さ :32.8%
この結果は、回答者1000人のうち、「バッテリーの持ち」を重視するとした人が「どの程度いるのか?」といった「事実」を示す結果です。
属性別分析、相関分析、他など、様々な分析を通じて、問題の優先順位を割り出す上では、定量調査をもとにした根拠のある裏づけが重要なことは言うまでもありません。
一方で、顧客が商品・サービスを選択しているのは、言葉にできることだけではありません。
そもそも定量調査では、質問紙にないこと(選択肢にないこと)は情報として上がってこないのですから。
デプスインタビューは、ユーザーがどこに価値を置いているのか、その行動の裏にはどのような心理が働いているのか、「なぜ?」を一人ひとりのユーザーと向き合うことで「深く=depth」探っていくことを目的とした調査手法
です。
商品・サービスの開発を考えた際、機能面で何を強化すべきかは、定量調査できちんと把握できたとしても、商品コンセプトや商品の打ち出し方、販売促進など、特に売り方を考える際には、お客様を深く理解し、多様な視点から眺めることが大切ではないでしょうか?
デプスインタビューが得意とするのは、この「顧客に対する理解を深め、次の商品・サービスや、その売り方を考える上でのヒント」を得ることにあります。
個別の話に耳を傾けることによって、回答者自身も気づいていなかった消費者心理を導き出し、それをヒントに、アイディアを考えることが可能となっていくのです。
補足:グループインタビューとデプスインタビューの使い分けについて
生活者の、生活環境やライフスタイル、価値観・志向性、商品・ブランドなどの位置づけを深く掘り下げて理解をする、アイディアのもとになる発想のヒントを得たい場合には、デプスインタビューが適しています。
一人ひとりと向き合い、その人の背景までをも包括的に捉えることで、なぜ、そのような行動を好むのかといった、理解が深まります。
~新製品開発、評価、広告テスト、ブランド診断など
KFSでは、グループインタビューにおいても、1グループ3~4名(通常では6~8名)、所要2時間の小規模形式を推奨していますが、それでも、1人の参加者の発言時間は限られます。
グループインタビュー形式で、参加者一人ひとりについて、様々なテーマに関してホンネや深層心理までを引き出すのには難しいといえるでしょう。
一方で、グループインタビューの醍醐味は、グループダイナミズム。
一人の意見をきっかけに、会話が刺激され、こちらが思いも寄らなかった意見を引き出すことが可能となります。
例えば、利用者の実態調査など、商品やサービスの使い方について写真を持ち寄って話しを聞く写真観察法。
自分が普通だと思っている使い方など、他人から見れば、「ちょっと違う」といったことはよくある事。
一人の参加者の思いもつかない使い方に刺激され、「私の場合は・・!」「あ~、これ、私もこうやってる!」など、会話が弾みだします。
このような会話を通じて、調査前には想定もしていなかった、隠れたニーズやユーザーのホンネを明らかにしていきたい場合は、グループインタビューが適します。
KFSのデプスインタビューの特徴
Point1.デプスインタビュー(定性)とネットリサーチ(定量)をシームレスに提供
定量と定性を組み合わせて分析することで、顧客理解がさらに深まる
デプスインタビューの結果だけをもとに、「10人中、8人がこういう結果だったから、マーケットの80%はこのように考えるはず」と、結果を一般化して考えるのは間違いです。
「どの程度」を知り、アイディアの裏づけや実現に向けての論理的根拠を示すためにはネットリサーチ、
「なぜ?」を知り、アイディアを得るためのヒントを得るためには、デプスインタビューと使い分けていくことが必要です。
KFSでは、デプスインタビュー(定性)とネットリサーチ(定量)の組み合わせ(ハイブリッド調査)により、生活者の内実にまで迫れる調査をサポート。
あなたの目的に沿って、定量調査と定性調査をトータルに組み合わせた調査設計をご提案します。
デプスインタビュー →ネットリサーチ(アイディアヒントの発見~市場性の検証)
- 仮説を組み立てるにあたって、最初にデプスインタビューを実施して、生活者の声(ホンネや動機)を通して仮説立案を実施。その後、立案された仮説についてネットリサーチで量的な検証を実施。
~そのニーズは、消費者に受け入れられるか? - デプスインタビューの結果を定量調査の質問項目に活かすことで、より有意義な情報を入手することが可能。
例)デプスインタビューの結果で、気になる使い方・ニーズに着目
30代・6歳の子持ちの主婦の伊藤さんが車の助手席に友人を乗せる際にとった行動と、なんでそういうことをしているのかを話してくれた一言。
この問題を解決したら、いいセールスポイントにできそうなのだけれど、これって、世の中全般の30代主婦もそうなのかな?
→「どれくらい?」を知るために、「30代女性主婦」を対象に、友人・知人を車に乗せる際の行動についてネットリサーチを実施
ネットリサーチ→デプスインタビュー(ネットリサーチの結果を深堀りし顧客実態により迫る)
- ネットリサーチで量的検証を行った後、定量調査で注目した生活者のホンネや動機を深く掘り下げ、仮説を肉付ける。
- 自社ブランドが支持される理由、されない理由を掘り下げたい
- 顧客の購入時の重視点をさらに掘り下げたい、 顧客満足度調査における満足・不満理由を掘り下げて、ユーザーの本質的なニーズを理解したい、 etc.
あらかじめ、ネットリサーチを行っておくと、誰を呼ぶか、何を聞くか、といった深く掘り下げるべきポイントが見えてきます。
インタビューの対象者も、ネットリサーチの結果をもとに、対象者のリクルーティング条件とリサーチ結果を紐付けて考えることができるので、はじめに全体像を描きつつ、ディティール部分も細かく描くことが可能となります。
KFSは、マーケティングリサーチ専門会社だからこそ、定性調査と定量調査を総合的に実施&統合分析までトータルサポートします。
Point2.ゲーム感覚で「会って3分の人」から、ホンネを引き出すしかけづくり
デプスインタビュー・ブランド選択行動探索シーン
画用紙の上で、クレヨンでお絵かきをしながら、レゴブロックの人形を使って、ある商品のブランドごとの心理的な距離を指し示してもらっているところ。
合わせて、自分にとって、そのブランドを人にたとえるとどんなイメージなのか、別途写真の中から選んでもらい、それを材料に、自分なりの言葉でイメージを語ってもらっている。
たとえば、あなたはあるセミナーに出席しました。周りは知らない人ばかりです。 まだ、開始には時間がある・・・。机の上の資料に、ぱらぱらと目を通してみたり、なんとなく、落ち着かない・・。隣の席の人も、同じような様子なので、「こんにちは」と声をかけ、名刺交換をしました。あなたはその隣の人に、いきなりホンネで、自分のプライベートな話をすることができますか?インタビューも同じです。初めてお会いする方に、どれだけ、自分自身のリアルな現実を話していただくことができるかが、インタビューの成否を分けると言えるでしょう。
このインタビューを受ける側と、する側(モデレーター、インタビュアーのこと)との間で、
「この場は安心して発言しても大丈夫ですよ。緊張することも、自分を作ることも必要ありあませんよ。」という雰囲気を作ることを、「ラポール(信頼関係)を形成する」と言います。
モデレーター自身はそのために、笑顔のレッスンから始まり、傾聴のテクニック、ボディランゲージによる相手の気持ちを読み取る技術を身に着けています。
ただ、インタビューという限られた時間の中では、短時間でラポールを築き、相手に寛いで自己開示をしてもらいたい。
特に1対1で向き合う、デプスインタビューの際は、早くインタビューする人とされる人との距離を縮めることがとても重要です。
その距離を縮めるためのコツの1つが、「相手と共同作業をする」ことです。
KFSで実施する1on1デプスインタビューでは、写真を利用する「写真投影法」や、「写真観察法」のほか、レゴや人形を使ったり、クレヨンで一緒にお絵かきする、など、ツールを利用して、モデレーターと共同作業を進めていきます。
そのほかにも、各種判定カードを活用するなど、ゲーム感覚を取り入れることで、インタビューをされる側が自分のことについて話しやすい雰囲気を作り上げていきます。
Point3.言葉にしにくい自分の気持ち、
自分自身も気づいていないニーズを引き出すための最新技法を採用
-「同調の原理(みんなが言っているから、その場の和をあえて壊したくない)」
-「見栄はり回答(見栄・虚栄心から、実際よりも好ましい数字や内容の回答をしてしまうという人間の性向)」
-「社会規範のルール(波紋を呼ぶような発言を抑制し、社会的な衝突を避けようとする心理)」
KFSでは、これらの答える側の心理を理解し、「投影法」などの様々なテクニックを利用して、生活者の心理に迫るアプローチをしています。
Point4. 参加者の生の声やホンネを引き出す、専門の司会役(モデレーター)が対応
デプスインタビューを実施する際は、質問紙を利用した自記式アンケートや、インターネットリサーチ以上に、モデレーターが使う言葉の選択、質問の提示順など、いわゆる「コンテキスト」が、回答に影響を与えます。
-初めの質問内容とその回答によって以降の回答が左右されたり(初頭効果と一貫性の法則)
-質問者が回答者の求める意見を探る、つい言ってしまう心理(「求められる自分」の演出効果)
を理解しながら、状況をコントロールしていくことが求められます。
参加者の言葉以上に、ボディランゲージや体外シグナリングを読み取り、どう場をしきっていくかは、モデレーターの質が大きく左右します。
インタビュー調査で、単に情報を引き出すだけでなく、消費者の心から商品&サービスのイノベーションに役立つ「洞察」を得るためには、「何を聞くかに加えて、どうやってホンネを引きだすか」が特に大切。
Point5.レアターゲットにも対応、信頼のリクルーティング+実査体制
最初の一歩は、「とにかく消費者の意見を聞いてみよう」であっても、調査設計を明確にしていくプロセスの中で誰に、何を聞くかが自ずと見えてきます。
特にデプスインタビューでは、一人の話しをしっかり聞くという調査手法ですので、どういった対象者を集めるか(どういった属性を代表する個人に話を聞きたいか?)、対象者の選定にあわせて、実際に「対象者条件を満たした人を集めることができるか?」、リクルーティングが大きく調査の成功を左右します。
貴社のニーズを理解し、調査設計からのプランニングのお手伝いを得意とするKFSでは、実査段階でも目的遂行のために、以下の点を徹底しています。
- 調査設計時目的に沿った調査対象者のご提案、リクルーティング条件の設定
- 実査:対象者リクルーティング
・KFSのリサーチパネル+協力会社のパネルのもと、レアアターゲット(出現率の低い属性)にも対応可能
・なりすましや条件違いを防ぐスクリーニング手法
・電話による対象候補者の回答内容の条件確認+キャラクターチェック
・対象候補者については、電話による回答内容の確認とあわせて、回答候補者の応対を確認します。 - 実査:当日運営
・ 当日キャンセル、遅刻を防ぐための前日電話によるフォローアップ
・対象者の立場も考えた、会場手配、日程調整
・ビデオ撮影、発言記録の作成
・プロジェクトを理解し、研修を積んだ、実績あるモデレーターの手配
このような時に
対象商品&サービスの特性
- 調査対象とする商品・サービスが、人前ではあまり本音を話しにくい商材である、配慮が必要
アイディア発想&企画立案
- 生活者のホンネや深層心理に迫るために、一人の人からじっくりと話を聞きたい
- 生活者は、商品の機能・性能から、どんな生活の充足感を見出しているのか、機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、生活価値の階層にわたって把握したい
- 生活者のホンネ、生活者自身ですら気づかない潜在ニーズまでも、明らかにしたい
戦略&戦術受容度測定
- 商品開発(コンセプト、ネーミング、パッケージなど)について、想定ターゲット層からの“率直な意見”“ホンネ”を聞き出したい。
そして、なぜ、そのように思うのか、その理由を深くしりたい - 一人ひとりの意見を特に大切にしたいので、グループインタビューなどで、一人の意見や、グループの場の雰囲気に左右されたくない
効果測定
- 自社の製品が選ばれる理由、選ばれない理由や満足or不満なことについて、生活者の声を深掘りしたい
- 定量調査を行った後に、数字の裏づけとなるユーザー心理が知りたい
- 課題の具体的な内容を表層的な言葉だけでなく奥底まで知りたい。
ご依頼から実施までの流れ
- 調査企画設計調査内容をご相談の上、(どんな人に、どんな質問をして、何を引き出すか)調査設計
- 実査準備スケジュールや対象者、会場を確定し、インタビューフロー(質問の流れ)を作成
- 実査参加者(グループ)にインタビューを実施
- 納品準備発言録・インタビュー結果の分析レポートを作成
- 納品DVD録画ビデオ、発言録(テープ起こし)、分析レポートを納品
料金(デプスインタビュー参考価格)
参考価格:650,000円/4名=4セッション(1人1.5時間)
<上記に含まれる料金>
- 参加者リクルーティング
- インタビューフローの作成
- 会場手配
- 司会者(モデレーター)手配
- インタビュー実査
- モニター参加謝礼費
- DVD録画ビデオ費
- 発言録作成費(テープ起こし)
- 分析レポート作成費
※上記は参考例です。調査内容・条件に応じて個別にお見積もりします。詳しくは、お問い合わせください。
事例
- 最近、自社商品から競合商品へブランドスイッチした生活者の、ブランドスイッチ動機の把握、そこに至るまでのプロセスの検証(情報機器)
- 新カテゴリー開発に向けてのカテゴリーに対するユーザー深層心理分析(シーン別の選択肢/使用理由/オルタナティブ利用実態、その理由、など)
- コミュニケーションニーズの深堀りとサービス開発の要点分析(コミュニケーションサービス系)
- ”面白い”&”はまる”気持ちのサービスとの関連分析(アミューズメント・ゲーム系)
- 新商品開発に向けての潜在ターゲットの抵抗感や現状の不満に関する深層心理の把握(シニアケータイ)
- 購買プロセスにおける、各段階ごとの接点と選好理由に関するユーザー心理の検証(自動車)
- ブランド調査(時計)
- 先端ユーザー調査(ウェアラブル機器)
関連情報
- インタビューの別手法:
司会者(インタビュアー)と参加者3~6人(通常、4名程度)のグループを対象とした座談会形式のインタビューについて詳しくはこちら→グループインタビュー - デプスインタビューで用いるインサイト系手法について詳しくはこちら →インサイトアプローチ