グループインタビュー
別称:グルイン、グループ・ディスカッション、フォーカス・グループ・インタビュー
グループインタビューとは?
- 司会者(インタビュアー)と参加者3~6人(通常、4名程度)で行われる座談会形式の調査方法
- インターネット調査などの定量アンケートだけではとらえきれない、生活者の心理を理解することが可能
- 性別・年齢や、商品に求める価値の志向性、利用シーンなどでセグメント化された、一定の共通性を持ったグループを対象にインタビューを行う。
集まった皆に共通の話題の土俵があるからこそ、それぞれの意見により場が刺激され、相互のディスカッションの中で、発言が集約されたり、話題が発展されていく。
これを、「グループダイナミズム」と言い、消費者意識の掘り下げや、思いもしなかった意識の発展に繋がる。 - インタビュアーと1対1で行う「デプスインタビュー」との大きな違いは、この「グループダイナミズム」による意見の集約&発展プロセス。グループインタビューは、ターゲット層の集団としての消費者の心理・行動(過程)や、特定集団における商品・受容度を把握するようなケースに向いている。
利用シーン例:コンセプト受容度テスト
- 発売前の商品について、ターゲット層である「30代ビジネスマンで、営業職であり、日常的に移動時間が多い人」に対して、商品コンセプトの受容度をテスト。
- このテストの場合は、「商品サービスの仮説(この製品を使うことで、このように生活シーンが変わる)」ことをわかりやすく動画化。PC上に複数投影し、どういった商品の特徴や利用シーンに1番興味を持ったか、ユーザーの反応をテストし、商品コンセプトの仮説を検証。
補足:グループインタビューとデプスインタビューの使い分けについて
グループインタビューの1番のメリットは、特定の共通性を持ったグループが集まることによって、相互に刺激しあうことによって生まれるライブ感であり、臨場感です。
あるグループにおける共通の考え方や、購買行動、利用実態などを知る際に特に適しています。
また、ある想定ターゲット向けのコンセプト受容度調査など、8割程度のアイディアをブラッシュアップするために、意見を聞くなどのコンセプト受容度テストといった使い方にも適します。
逆に言えば、一人ひとりの参加者から、様々なテーマに関してホンネや深層心理を引き出すのは難しく、生活者の、生活環境やライフスタイル、価値観・志向性などから商品・ブランドなどの位置づけを探索したい場合には、デプスインタビューが適しています。
また、人前では話しにくい話題(喫煙、バイオレンス、性、病気、など)、テーマなど、テーマによっては、1対1のデプスインタビューの方が適する場合があります。
KFSのグループインタビューの特長
Point1.グループインタビュー(定性)とネットリサーチ(定量)をシームレスに提供
グループインタビュー(定性)とネットリサーチ(定量)の組み合わせ(ハイブリッド調査)により、生活者の内実にまで迫れる調査をサポート。
定量と定性を組み合わせて分析することで、顧客理解をさらに深めたい方に最適です。
調査設計からのサポートを得意とするKFSだからこそ、客観性(定量調査)+具体性(定性調査)をもった役立つ分析が可能です。
- ネットリサーチ →グループインタビュー(すでにある仮説を検証したい場合)
ネットリサーチで量的検証を行った後、定量調査で注目した生活者のホンネや動機を深く掘り下げ、仮説を肉付ける
例)新商品コンセプト受容性調査 など
- グループインタビュー →ネットリサーチ(仮説立案から始めたい場合)
仮説を組み立てるにあたって、最初にグループインタビューを実施して、生活者の声(ホンネや動機)を通して仮説立案を実施。その後、立案された仮説についてネットリサーチで量的な検証を実施。グループインタビューの結果を定量調査の質問項目に活かすことで、より有意義な情報を入手することが可能。
例)「なぜ、商品が売れないのか」不買者(競合商品購買者)調査 など
マーケティングリサーチ専門会社だからこそ、定性調査と定量調査を総合的に実施&統合分析までトータルサポートします。
Point2.「事前のお膳立て」をプロの視点でサポート
お互い、まったく見ず知らずの人を複数人集めるグループインタビューでは、その場をどのように活性化させるかが、最大のポイントです。
ただ漠然と対象者を集め、「何が欲しいか?」や、「どう思う?」と意見を聞くだけでは、欲しい情報が集まりません。
そのためには、「1).企業側として何を準備するのか?」「2).集まる側に何を準備してもらうのか?」を始め、場を活性化させるための事前の「お膳立て」が大切です。
アイディア発想、仮説検証、商品投入後の顧客満足度測定の各段階によって、対象とすべき消費者の考え方も、グループインタビューの際に準備する・してもらうツールは全く変わります。
アイディア発想段階で、消費者のライフスタイルや、商品・サービスの利用実態を理解したい場合なら
- 事前のホームユーステストと組み合わせて、商品に関する使用日記や使用シーンの写真を準備してもらい、インタビュー当日にそれらの日記や利用写真などを持ち寄ってもらって、当日はそれを材料に皆とワイワイディスカッションを行う
(日記法や、写真観察法との併用、など)
アイディア仮説検証で、8割程度できあがっている製品・サービスの基本コンセプトをブラッシュアップしたい、
消費者に受け入れられるかを検証したい場合なら
- 試作品(商品モックでも可)を準備し、その場で体験・体感してもらい、皆の意見を聞くことはもちろんのこと、そのサービスを使いたい人、シーンのパネル化、リーフレット化、動画化など、「グループインタビューに集まった人が、その商品やサービスの利用シーンが具体的にわかりやすいようにする」ためのビジュアルの準備と工夫を行う など。
「まだ見たことがない製品やサービスは目の前に突き出してもらうことで始めて判断できる」というのが一消費者としての立場です。
コンセプトブラッシュアップや、仮説受容度調査の際は、企業側で、次に提供する新製品やサービスの仮説、基本コンセプトをどのような方法で提示していくかが、非常に大切です。
KFSでは、ご要望に応じてパネルやビジュアルの書き起こしなどのサポートも、実施しています。
これらの準備物は、事前の調査設計の段階で、調査目的に照らし合わせて考慮すべきポイントであり、KFSは、マーケティングリサーチの専門会社として、特に調査設計を重視するからこそ、こられの「お膳だて」をサポートします。
例:前述のコンセプト受容度テストで準備したもの
・市場発売前のコンセプトモデルのモック (試作品)
・複数パターン
(守秘義務の都合上、画像を加工しています。)
・商品コンセプト(商品案内と、この製品を使うことでこのように生活シーンが変わる)」ことを説明するための資料(パワーポイントベース+動画)をプロジェクターで投影
・PC上に複数投影し、どういった商品の特徴や利用シーンに1番興味を持ったか、ユーザーの反応をテスト
・商品コンセプトの良い点・悪い点を語ってもらうための投影法用のパネル (写真投影法を利用)
・商品デザイン・外観についての比較テスト用パネル(モック以外のバリエーション)
Point3.言葉にしにくい自分の気持ち、自分自身も気づいていないニーズを引き出すための最新技法を採用
グループインタビューの際に、「お膳立て」を考え、様々なツールを企業側で準備、回答者側に準備してもらったとしても、それだけでは十分ではありません。
グループインタビューの場では、以下のような心理が働くことを理解しておく必要があります。
-「同調の原理(みんなが言っているから、その場の和をあえて壊したくない)」
-「見栄はり回答(見栄・虚栄心から、実際よりも好ましい数字や内容の回答をしてしまうという人間の性向)」
-「社会規範のルール(波紋を呼ぶような発言を抑制し、社会的な衝突を避けようとする心理)」
例えばワインについて、意見を求められても、どのように美味しいかを語れるのは語るレッスンを積んだソムリエだけでは?
一般消費者に向かって良いと思いますか? と聞けば、「良いです!」「悪いです!」「好き」「嫌い」という言葉を拾うことはできますが、それが、どう良い・悪い、どういう気分になるから好き・嫌いなのかは、言葉にすることが難しい場合が多いのです。
KFSでは、これらの答える側の心理を理解し、「投影法」などの様々なテクニックを利用して、生活者の心理に迫るアプローチをしています。
Point4.参加者の生の声やホンネを引き出す、専門の司会役(モデレーター)が対応
グループインタビューを実施する際は、質問紙を利用した自記式アンケートや、インターネットリサーチ以上に、モデレーターが使う言葉の選択、質問の提示順など、いわゆる「コンテキスト」が、回答に影響を与えます。
最初に話す人の意見によって場が左右されたり(アンカリング)、同調の原理(あえて”和を乱したくない”というバイアス)が働くことも考えながら、場をリードしていかなければなりません。
また、初めてお会いしてから3分の人のホンネを引き出すためには、ラポール形成(フランス語で「橋をかける」という意味で、相手と自分との間に橋が架かっている状態、すなわち、心が通じ合い、互いに信頼し、相手を受け入れている状態)のためのテクニックが必要です。
参加者の言葉以上に、ボディランゲージや体外シグナリングを読み取り、どう場をしきっていくかは、モデレーターの質が大きく左右します。
インタビュー調査で、単に情報を引き出すだけでなく、消費者の心から商品&サービスのイノベーションに役立つ「洞察」を得るためには、「何を聞くかに加えて、どうやってホンネを引きだすか」が特に大切。だからこそ、KFSでは、経験と研修を重ねたモデレーターが実査にあたります。
Point5.レアターゲットにも対応、信頼のリクルーティング+実査体制
最初の一歩は、「とにかく消費者の意見を聞いてみよう」であっても、調査設計を明確にしていくプロセスの中で誰に、何を聞くかが自ずと見えてきます。
特にグループインタビューでは、どういった対象者を集めるか(どういった属性のグループに話を聞きたいか?)、対象者の選定にあわせて、実際に「対象者条件を満たした人を集めることができるか?」、リクルーティングが大きく調査の成功を左右します。
貴社のニーズを理解し、調査設計からのプランニングのお手伝いを得意とするKFSでは、実査段階でも目的遂行のために、以下の点を徹底しています。
- 調査設計時:
・目的に沿った調査対象者のご提案、リクルーティング条件の設定 - 実査・対象者リクルーティング:
・KFSのリサーチパネル(全国60万人)+協力会社のパネルのもと、レアアターゲット(出現率の低い属性)にも対応可能
・なりすましや条件違いを防ぐスクリーニング手法・電話による対象候補者の回答内容の条件確認+社交性チェック対象候補者については、電話による回答内容の確認とあわせて、回答候補者の応対を確認します。
・グループインタビューは、初対面の人との集まりであり、活発な意見交流の中で生まれるグループダイナミズムが必要です。そのため、見ず知らずの人とでもある程度、話ができる社交性をチェックする必要があります。 - 実査:当日運営:
・当日キャンセル、遅刻を防ぐための前日電話によるフォローアップ
・対象者の立場も考えた、会場手配、日程調整
・ビデオ撮影、発言記録の作成
・プロジェクトを理解し、研修を積んだ、実績あるモデレーターの手配
このような時に
アイディア発想&企画立案
- 新しいターゲット層を狙う際に、想定ターゲット層の価値観、行動スタイルなど、リアルな“人物像”を把握したい.
- 新商品・新サービスのコンセプトを開発するにあたって、仮説づくりに繋がる消費者の利用実態を把握したい。
戦略&戦術受容度測定
- 商品開発(コンセプト、ネーミング、パッケージなど)について、想定ターゲット層からの“率直な意見”を聞き出したい。
効果測定
- 自社の製品が選ばれる理由、選ばれない理由や満足or不満なことについて、リアルな生活者の声を把握したい。
- 定量調査を行った後に、数字の裏づけとなるユーザー心理が知りたい。課題の具体的な内容を聞き出したい。
ご依頼から実施までの流れ
- 調査企画設計調査内容をご相談の上、(どんな人に、どんな質問をして、何を引き出すか)調査設計
- 実査準備スケジュールや対象者、会場を確定し、インタビューフロー(質問の流れ)を作成
- 実査参加者(グループ)にインタビューを実施
- 納品準備発言録・インタビュー結果の分析レポートを作成
- 納品DVD録画ビデオ、発言録(テープ起こし)、分析レポートを納品
料金(グループインタビュー参考価格)
- 参考価格:500,000円~/1グループ
- *グループ数が多くなるほど1グループ当たりの料金が下がります。
- <上記に含まれる料金>
- 参加者リクルーティング
- インタビューフローの作成
- 会場手配
- 司会者(モデレーター)手配
- インタビュー実査
- モニター参加謝礼費
- DVD録画ビデオ費
- 発言録作成費(テープ起こし)
- 分析レポート作成費
- 上記は参考例です。調査内容・条件に応じて個別にお見積もりします。詳しくは、お問い合わせください。
実査に当たっての留意点
- KFSでは、通常、グループインタビューであっても、3~4名の小規模グループインタビューを推奨しています。
一般的に、グループインタビューは、6~8名程度の人数で設定する場合が多いですが、これでは、一人当たりの持ち時間は、平均10分~12分です。
インタビューの目的、質問内容によりますが、一人の参加者につき、10分程度では会話に「クイタラない」「ツッコミたいけれど時間不足」の場合が、多々でてきます。 - また、リサーチに関する最新研究結果において、グループで話し合うときの最適な人数規模は3人、会話に参加できる人数の上限は4人(進行役1人、参加者2~多くて3人)であることが実証されています。
-出展 Robin Dunbar,Grooming,Gossip,and the Evolution of Language (Cambridge,MA:Harvard University Press 1996),121 - 上記に加えて、仮説構築型で、消費者のグループ属性としての理解を深めたい場合、仮説検証型でも、8割程度できあがっている仮説の完成度を高めたい場合と、コンセプトレベルの段階で仮説の精度を高めたい場合など、1グループあたりの人数は、調査目的によって異なります。
- また、対象とするユーザー層の特性(女子高生~シニアなど)、対象商品(皆の前で話しやすい商材・サービス)なども考慮すべきポイントです。
- 1グループあたりの人数に加えて、最低どの程度のグループに聴けばよいのか、必要なグループ数も、プロジェクトの内容によって1つずつ異なります。
- 詳しくは、お問い合わせ&ご相談ください。
事例
- シニアが遠近両用メガネを敬遠する理由の深層心理の把握
- プリンターの購買・利用に関するユーザー心理の検証
- ニューカテゴリー情報機器に関するコンセプト受容度テスト
- ビジネス向けオフィス機器のコンセプト受容度テスト
- 携帯電話の新商品開発テスト
- 介護用品の使用者に対する使い勝手の把握と新商品コンセプトテスト
- 損保加入者にする新サービスコンセプトテスト(保険内容のわかりやす、購買意欲の評価、価格の受容性などについて 、その評価が聞きたい)
関連ページ
- インタビューの別手法:
1対1で向き合うことで生活者の性格・思考・心理的側面にまで踏み込んでの、ホンネや深層心理を掘り下げるデプスインタビューについてはこちら →1on1 デプスインタビュー、パーソナルインタビュー - デプスインタビューで用いるインサイト系手法について詳しくはこちら →インサイトアプローチ