C【第1回】黄色

Written by KFS on . Posted in 色とリサーチ&マーケティング

いけばな by 詠琇 (Eishyu 草月流師範)


春が待ち遠しいので、黄色を活けてみました。

マーケティングリサーチ手法としては一般的なグループインタビュー、デプスインタビューですが、対面で生活者と向き合い、インサイトを探っていくとき、言葉以上に表情、態度、動作などから読み取れることがたくさんあります。

「人は見かけが9割」ではありませんが、“見ること”を訓練していくと、思いがけない発見に繋がります。

中でも、「色」は、多くの情報を発信しています。

例えば、今回、活けた黄色。素材はミモザアカシアです(多少、ピンクも入っていますが、気にせずに・・)。

黄色は、そもそも「コミュニケーションカラー」と呼ばれ、人をおしゃべりにさせる色です。

太陽をイメージさせる色であり、古来、中国では皇帝を示す色、東南アジアなどの仏教国では、高僧を示す色として親しまれ、好まれてきた色です。

好きな色は年齢とともに変わると言われていますが、幼児が1番好きな色は、「黄色」とか・・。
そのため、黄色を好む人の性格としては、ユーモアセンスを備えた明るい性格、天才肌、天真爛漫といったプラス面のほかに、自分の意見にこだわると意見を曲げない、幼児性質などの側面があると言われています。

黄色は、コミュニケーションカラーですので、例えばグループインタビューの際など、黄色を身につけている人にはじめに話を振ると、会話の窓口が開きやすいなどの傾向があります。

また、ちょっとした黄色やオレンジの小物をテーブルの上に置くと、話が進むなどといった使い方も可能です。

特に、インタビューなど対面式の調査では、参加者の洋服の色はもちろんですが、携帯電話の色は注目のポイント。
始まる前に、参加者がなんとなく、携帯電話をいじっているシーンを見た際は、すかさず、何色の携帯電話を持っているかをチェックします。なぜなら、携帯電話を選ぶ際は、自分の好みの色にこだわる人が多いため、その人の個性が表れやすいのです。

色が発信するイメージを読み取ることで、参加者のキャラクターを考えながら話題を進めていくと、会話が進めやすくなっていきます。

 

その他にも、インタビューの際に、商品やサービスの印象、喚起される自分の感情などを語ってもらう場合にも、色をメタファー(喩え)として語ってもらうことで、顧客のインサイトにさらに一歩近づくことができ、後々の商品開発やサービス開発に役立つ情報を得ることが可能になります。

色の持つ意味について、マーケティングリサーチでの活かし方について、これからも情報発信をしていきたいと思います。

*ただし、筆者はマーケティングの専門家であり、色彩心理学の専門家ではありません。

色彩に関する記述で、誤り等がありましたら、ご指摘ください。
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<黄色が持つ色の意味・マーケティングキーワード>

【POSITIVE】

•元気、快活、活動的、愉快、希望、判断、ユーモア、理想主義

【NEGATIVE】

•軽薄、目立ちたがり、卑怯、警告、裏切り、批判、狂気

黄色が、裏切り、卑怯などの意味を持つのは、イエスを裏切ったユダが着ていた色として描かれることが多いことから来ているそうです。
文化的背景によっても、色の持つ意味が大きく異なることは、マーケティングを考える上で注意が必要なポイントですね。

個人的には、「黄色」は、ゴッホの色。
「黄色い家」、「ひまわり」、「夜のカフェテラス」の夜空に映える星の黄色、
そして、死ぬ直前の「カラスのいる麦畑」の黄色。

「元気」、「快活」をあらわす黄色への憧れ。
「希望」や「理想主義」。
そして最後は「狂気」。
まさに「黄色」を体現するような人のイメージを感じてしまいます。

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KFS

マーケティングリサーチ・調査ソリューションの専門会社、株式会社KFS(ケイ・エフ・エス)。 創造性は顧客を深く知ることから始まる。 市場・ターゲット可視化、インサイト理解のためのインタビュー調査など。 定量調査と定性調査を組み合わせた統合型ハイブリット調査による市場理解~受容度検証、価値創造ソリューション。