【第1回】So What?/Why So?(調査目的の明確化)
「So What?/Why So?」から始まる調査とロジカルシンキング
「目的の明確化」についての一考
調査について、お客様からご相談を受けたり、オリエンテーションを受ける場合、KFSでは、できるかぎり、直接お客様の所へお伺いして、お客様と調査目的について、ディスカッションをするための時間を持つようにしています。
というのは、調査目的についての文言、例えば、
「○○の実態を知ることで、今後の商品開発に資する」
「○○についての顧客満足度実態を測定することで、今後の顧客との関係改善を図る」
などだけでは、結局、何を情報として得たいのか、ゴール設定がよくわからない、何を論点に調査全体を組み立てればよいのかがよくわからない・・・。
「So What?(だから何?)」に陥ってしまうからです。
聞きたいのは、「Why So?(なぜ、そのように思うの?)」です。
お客様自身が、なんとなくイメージしている、もやもやとした調査への期待、文章にはなっていないかもしれないけれど、その背景にある思いや狙い、これらの「Why So?」を、会話を通じてクリアにしていき、相互理解を深めて調査目的をオーソライズしていく手腕こそが、調査会社に必要なスキルだと思います。
そして、このプロセスは、非常に重要。
なぜなら、そもそも「何が、なぜ知りたいか?」がはっきりしなければ、調査自体がまともなものになりようがないからです。
わかったつもり、なんとなく、で調査会社としてお仕事を引き受けても、調査報告書も、「なんとなく、わかった気分」のものしかできません。
結局、このプロセスをおざなりにすると、「それがどうした?」と「だから、結論は何?」と言いたくなるような結論しか導き出すことが出来ないからです。
これでは、KFS(Key Factor for Success [成功の鍵))という社名を出すのが恥ずかしい・・・。
(今までの個人的な反省もこめて、)目的を明確化するプロセスというのは、結局、調査を行う上で、一番大事なプロセスなのではないかと痛感しています。
「So what?/What so?」は、ロジカルシンキングのための思考ツールの1つである「ピラミッドストラクチャー(論理的に主張する手法)」の際の結論と根拠を示す言葉として、多くの本で解説されていますが、
「So what?/Why so?」という言葉は、ロジカルシンキングの中で、最も根幹を占めており、特に、調査を行う上で重要な言葉だと思います。
まとめ:So What?/Why So?
So what?/What so?(だから何?/なぜそう思うの?)
目的さえクリアになれば、手段(誰に、何を、どのような方法で聞いていくかの調査設計)は、自動的に決まります。
また、調査目的の明確化は、迷った時や、議論が迷走した時のアンカー(錨)の役割を果たします。
だからこそ、調査目的を掘り下げること、何が知りたくて、何に活かそうと思うのか?
調査をする際には、「So what?/What so?(だから何?/なぜそう思うの?)」を大事にする
ことを忘れないようにしたいものです。
リサーチとロジカル&ラテラルシンキング・コンテンツ
はじめに:リサーチと思考法
【第1回】So What?/Why So?(調査目的の明確化)
【第2回】調査設計とロジカルシンキング
【第3回】Fact&Stick:定量調査と定性を組み合わせた ハイブリット調査の薦め(調査手法)
【第4回】みんなって誰?-代表性(調査対象者の選定)
【第5回】定量的な裏づけ-標本数:サンプルサイズ(標本数)の考え方について